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Silvio's Words
 
天使2人で1本のグラッパ
2005年11月19日(土)   

もしロマーノ・レヴィが「売れるもの程高い価値がある」という法則にならって値段をつけるとしたら、彼のグラッパは1本500ユーロ(約7万円)の値段がついてもおかしくはないだろう。しかしレヴィのグラッパはたったの20ユーロである。1本1リットルの、一切混じりけのない純粋なグラッパで、しかも瓶にはレヴィが一枚一枚手書きでデザインしたラベルが貼ってある。このグラッパ、値段は安いが、しかし手に入れるのは容易ではない。まず予約をして、それから実際にピエモンテ州はバローロ地方、ランゲのネイヴ村(白トリュフで知られる)までとりに行かなければならない。郵送はしてもらえないのだ。

レヴィはドルチェッティ、バルベーレ、ネッビオーロ種などのワイン用に搾ったばかりのブドウのカスを使ってグラッパをつくる。搾りかすを使い込まれたガラスの蒸留器にいれるところから蒸留がはじまる。蒸留の方法は完全に自然な方法である。一滴一滴と蒸留していくので、瓶がいっぱいになるのに一年はかかる。

レヴィはこのグラッパを大量に市場にだそうというイタリアや海外企業の数えきれない程のオファーを断ってきた。自分の手で1本1本作る方がよいし、遠い国からでもやってくる、愛着のあるお客たちに売る方が性にあっていると思ったのだ。一人一本と決まっていて、予約以外は受けつけていない。

「量には興味がないんだ。質の方が大切なのさ。自分の生活に必要なお金以上をすでにもらっているからね。あとは僕の父や母の作っていた方法を忠実に守って作りたいだけなのさ。眉毛の下で鋭く光る目をした小さな男がモソモソとつぶやく。77歳とは思えないほどしっかりしている。

彼もまた二人三脚で仕事をこなしている。彼の相棒はリディアという80歳になるお姉さんだ。

「私たちは羽を一つだけ持っている天使なのよ。2人で組まないと飛べないの。」手作りのすばらしいラベルの中の一枚にはそう書かれているという。一枚の羽を持つ親愛なる天使さんたち、長い人生に慶祝を。

2005年11月13日 シルヴィオ・ピエルサンティ


   

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